このページは2012年の読書記録です。今年のテーマは「 インド 」「 脳 」「 癌 」を中心に読んでいきます。
※2011年の読書リストはこちら
ただ今読書中:がんに効く生活 by ダヴィド・S. シュレベール
08.バガヴァッド・ギーターの世界―ヒンドゥー教の救済 by 上村 勝彦 – 2012.01.22
ヒンドゥー教の聖典のひとつ「バガヴァッド・ギーター」の解説書です。阿修羅、帝釈天、閻魔、弁才(財)天などなどはヒンドゥーの神々だそうです。いっけん無関係に見えるヒンドゥー教ですが、日本ともつながってるものですね。
引用 P.21 上村 勝彦『 バガヴァッド・ギーターの世界 』 ちくま学芸文庫 2007
この聖典に説かれたような思想がある時期に大乗仏教に影響を与えたと考えられています。それは、絶対者すなわち最高神がすべてに遍満し、個々のもののうちにも入り込んでいるという考え方です。言いかえれば、我々個々人のうちに神の性質があるということです。
この考え方が、大乗仏教に影響を与え、すべての人に仏性があるという考えにつながったと著者は仮説だてています。日本の古事記もフィンランドの古い神話カレワナと似ている箇所があると聞いたことがあります。神話の構造を見てみるのも面白いかもしれません。
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バガヴァッド・ギーターの世界―ヒンドゥー教の救済 (ちくま学芸文庫)

07.わかる仏教史 by 宮元 啓一 – 2012.01.21
仏教誕生~原始仏教~大乗仏教~上座部仏教(南方仏教)への概観。そして、チベット仏教・中国仏教・日本仏教へとつながる、まさに仏教史です。仏教も日本に運ばれてくる中でずいぶんと深化していったのだなと感じることができます。深化の中で開祖(?)ゴータマ・シッダールタが仏の中のひとりになってしまう過程はなんともよく考えたものだなぁと思わざるを得ません。ダライラマが観音菩薩の化身であるということも知っていたようで知らなかったので、よき学びでした。
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わかる仏教史

06.古代インド by 中村 元 – 2012.01.18
インダス文明から西暦500年くらいまでの流れが述べられています。政治・経済面より思想・文化面が充実しているため、いまの日本仏教とつながりを感じることができ興味深かったです。仏教はインドで生まれましたがなぜいまインドでは廃れているかも述べられています。現状の仏教に対する印象とは違いますが、当時の原始仏教は合理的すぎて民衆うけしなかったそうです。それに対し、呪術的な要素があるヒンズー教が好まれたとのこと。イスラムのインド侵攻で、富裕層とくっついていた仏教は、イスラムの攻撃対象となり流れが途絶えたらしい。。。本書は図版も充実していますが、ヒンドゥーの神々には女神もいてずいぶんなまめかしかったりします。インドと日本がずいぶんと身近に感じる一冊でした。
どこに記載があったか記録に残していないのですが、カースト制度についても発見がありました。当事者たちは制度に対する不満と言うよりは、おなじ階層にいる人間同士の横のつながりが強いため、上下間(という言い方が正しいかわわかりませんが)の差はあまり気にしていないとのこと。インドは土地も広く、言葉もことなるため、ひとつの連帯感を持たせるために必要なのかもしれませんね。。。
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古代インド (講談社学術文庫)

05.How to Study: Suggestions for High School and College by Arthur William Kornhauser – 2012.01.15
大学生へ向けて勉強方法をのべた、55ページほどのブックレットです。勉強の仕方がしっかり述べられていることが新鮮です!ここに書かれてあること、どれだけできているでしょうか(汗)学ぶことの意味、学ぶコツ、集中の仕方、学ぶ仕組みづくり、読み方、聴き方&ノートの取り方、記憶について、テスト勉強、知識の使い方、まとめ、などなどぎっしり詰められています。
引用 P.29 Arthur William Kornhauser 『 How to Study 』 Students Univ of Chicago Pr (Tx); 3版 1993
より深く本を読むための自分にあてる質問です。
Is the writer citing facts accurately ?
Does he or she distinguish between facts and opinions ?
Do these conclusions agree with your own independent views ?
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How to Study: Suggestions for High School and College Students (Chicago Guides to Academic Life)

04.ブッダ最後の旅 ― 大パリニッバーナ経 by 中村 元 – 2012.01.13
ブッダが亡くなるまでの過程を記した一冊です。古代インドでは丁寧にものを申す時に3回繰り返すならわしがあったそうで、それがここでも繰り返されます。この繰り返しによってジワジワとくる言葉の力を感じます。物語としても面白いのですが、ブッダがひとりの人間であったことが感じられる物語だと思います。
引用 P.168 中村 元 『 ブッダ最後の旅 』 岩波書店 1980
もろもろの事象は過ぎ去るものである。怠ることなく修行を完成なさい。
まさしくのブッダ最後の言葉です。
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ブッダ最後の旅―大パリニッバーナ経 (岩波文庫)

03.仏教かく始まりき ― パーリ仏典『大品』を読む by 宮元 啓一 – 2012.01.10
出家した僧が守るルール集である『大品』という文献の前半、ゴータマ・ブッダが目覚め、教団を形成するまでの物語部分を解説した書です。ルールを見出したある人間(ブッダ)が、そのルールを広めるかどうか迷い、広めるに至る過程が描かれた読みものとして面白かったです。組織が大きくなるほどルールのルールができあがり、解釈がややこしくなっていってしまうのはいまも昔もかわらないのですね。そんな読み方をしてしまいました。
引用 P.76 宮元啓一 『 仏教かく始まりき 』 春秋社 2005
比丘たちよ、苦聖諦(くしょうたい)とは次のごとくである。誕生は苦であり、老いは苦であり、病は苦であり、死は苦であり、怨憎(おんぞう)するものと会うのは苦であり、愛するものと別離するのは苦であり、求めて求められないのは苦であり、まとめて言えば、五取蘊(ごしゅうん)は総じて苦である。
四苦八苦のもとですね。この苦聖諦を通して、現実をしっかり認識することから考えることがはじまると述べているのだと思います。宗教と言うよりは、フレームワークを考える経営コンサルタントのようですね(^^)
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仏教かく始まりき―パーリ仏典『大品』を読む

02.ブッダが考えたこと ― これが最初の仏教だ by 宮元 啓一 – 2012.01.06
インド哲学教授による原始仏教の解説。宗教心なく、天才哲学者 ゴータマ・ブッダ が考えたことを淡々と述べていきます。古来からインドでは輪廻の考えがあり、生まれ変われるたのしみよりも、何度も死を体験することの苦しみの方が先立ったという背景に驚きました。この輪廻から離れるために解脱があるという構造らしいです。
ブッダは、
引用 P.56 宮元啓一 『 ブッダが考えたこと 』 春秋社 2004
根本的な生存欲の滅 -> 欲望の滅 -> 善悪の業の滅 -> 輪廻(苦)の滅(解脱)
の構造を見出し、
「根本的な生存欲の滅」を達成するため、
徹底的に思考する瞑想をもとめたそうです。
思考することを求めた、というところが新鮮ですね。
約200ページほどの書籍ですが密度が濃いため再読することになると思います。現在たくさんの宗派がある仏教のはじまりがここにあることを感じれたのがありがたいです。
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ブッダが考えたこと―これが最初の仏教だ

01.般若心経のこころ by 松原泰道 – 2012.01.03
昨年末に引き続き、2012年の初読書は「般若心経」でした。臨済宗 故 松原泰道さんによる解説書。 その他、難波光定住職による英訳般若心経や、作家 新田匡央氏による般若心経の歴史の解説がありもりだくさん。般若心経は、日蓮宗と浄土真宗以外の仏教の各宗派で読まれているという基本的なことからはじまり、当たり前ですが漢字によるお経の解説がなされていきます。近年の日本においては、瀬戸内寂聴さんや松原老師による般若心経解説が経済危機などの節目ごとに息を吹き返すそうです(ただしこの人気も解説者の人柄によるところが多いとも)。
引用 P.182-183 松原泰道 『 般若心経のこころ 』 プレジデント社 2011
「空」に対する松原老師の解説。空は2つあり…
消極的な空は、あくまでも常識的な意味で捉えていいわけで「ゼロ」というように考えてかまいません。対して積極的な空は、すべてのものは単独ではありえないというもので「無我」という言葉が近いでしょう。
ここでの「無我」の“我“は孤立自存を意味するそうで、孤立していて自分のみで成り立つものなど無い、という意味での「無我」だそうです。この空の捉え方は、昨年末読んだティク・ナット・ハン老師の空の捉え方と似ていると思います。同じ宗派(臨済宗)だからでしょうか…
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般若心経のこころ (PRESIDENT BOOKS)

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