Thu
Dec
11
2008
レビュー「Outliers」
「Outliers」という洋書を読み終えました。
この本は、
口コミについて調査した「急に売れ始めるにはワケがある」や、
直感について調査した「第1感」が日本でもヒットしている、
マルコム・グラッドウェルさんの新刊です。
「Outlier(アウトライアー)」という単語には、
主流から離れているとか、異常値という意味がありますが、
この意味とかけて、
テーマは「抜き出た成果をおさめる人の背景」を調査する、です。
ストーリーは大きく2つの観点、
「opportunity(機会)」と「legacy(資産)」
からテーマをひも解いていくのですが、読了後のイメージは…
三重丸を描いて…
中央の円が、わたし(自分)
二番目の円が、周りの人間
三番目外側の円、環境
それぞれが影響し合っている…
という感じでしょうか。
ポイントは、
●中央の円の、わたし(自分)では、
1.自分が機会を得られるよう、周りに働きかけること。
2.いったん機会を得たら、10,000時間の学びをすること。
3.意味のある(meaningful)仕事をなすこと。
●二番目の円の、周りの人間では、
1.学びをする必要のある人間に対して、積極的・意図的に機会をつくること。
2.opportunity(機会)とlegacy(環境)との関係を気にかけること。
●三番目外側の円、環境では、
legacyが家族・祖先、地域、国にまで及ぶという広さと深さに留意し、
コミュニケーションを考える必要がある。
というものだったように思います(現時点で)。
以上のようにまとめてしまうと書いてしまうと味もそっけもないのですが(笑)、
「legacy」に関する記述は、今後気にとめておく事項のように感じました。
(思ったよりもlegacyから受ける影響が大きい、という意味で)
自分が抜き出た結果を収めたいと考えている人にとってためになる本ですが、
それよりも、学び提供する人が知ることが多い本のように思います。
いずれにせよ、著者のマルコム・グラッドウェルさんは話の紡ぎ方がとても軽快で、
読んでいてぐグイグイ引き込まれてしまいます。
たとえば、
「2.いったん機会を得たら、10,000時間の学びをすること。」では・・・
ビートルズの成功は飛び出た才能によって
一夜にして現われたわけでなく、10,000時間に及ぶ準備の賜物だ。
彼らはデビュー前に、ドイツのハンブルグのバーで8時間ライブを一週間続けたり、
一年半で270ステージに立ったりすることで、バンドとしてまとまった
と述べるなど、
興味深い例話がたくさんでてきます(しかも忘れた頃につながっていく!)。
それゆえ、マルコム・グラッドウェルさん自身の調査がなく、
「他人の成果をつなぎ合わせただけじゃん!」という意見もあるかもしれません。
が、それはそれで良いのでは、と思います。
ぼくはマルコム・グラッドウェルさんの、
データの結びつけとか、考え方の切り口が面白いから読んでいるのですから。
もし年末お時間があるのであれば、
小説を読む気分でどうぞ手にとってみてください。
(きっと翻訳版もでるのでしょうが…)
アマゾンでの著者コメント動画
http://www.amazon.com/gp/mpd/permalink/m3K73VOL0U85ZQ
P.S.
なんでこんなテーマ(「抜き出た成果をおさめる人の背景」を科学する)を
思いついたんだろうと読み進めていくうちに思うのですが、最後の章で明かされます。
これもちょっと感動的でした。
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